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梅田先生のアトピーコラム

皮膚科専門医、梅田二郎先生による、アトピーに関するコラムです。

アトピーコラム第3回 「食物アレルギーと制限食」

前回、乳児のアトピー性皮膚炎についてお話してきましたが、今回はその続きで食物アレルギーと制限食のお話です。

乳幼児期のアトピーは、学童期〜成人のアトピーと異なり、アトピーの増悪因子の中で“食物アレルギー”の占める割合が高くなります。まず、生後3〜4か月で赤ちゃんのアトピー症状が悪化し母乳の影響を考え母体の制限食について悩むお母さんが来院されます。そして離乳食が始まる生後5〜6か月時に実際離乳食で何を制限したらよいのかを悩まれるお母さんがとても多いのです。

当院では、生後3、4か月でアトピー症状の強い赤ちゃんには、食物アレルゲンによるプリックテストを行っています。1mmの長さの針の下に肩がついていて深く刺さらない構造になったプリックランセットという器具を用いて行いますので、採血と比べるとずいぶん少ない痛みで検査が行えます。項目は卵白、牛乳、小麦、大豆、米について行います(ペットが家にいる御家庭では、犬毛、猫毛の検査も追加できます)。この結果をもとに母乳栄養の場合はお母さんの制限食指導、人工乳栄養の場合で牛乳アレルギーが判明した場合は牛乳アレルギー用ミルクへの移行指導を行います。

生後5、6か月になると、血中の特異的IgE(RAST)でアレルギーの度合いを定量的に調べることが有用になってきます。この採血により離乳食における制限すべき品目をはっきりさせ、安心して離乳食を進めていくことができます。

離乳食には、幅広いバランスのとれた栄養摂取という目的の他に、咀嚼力(かむ力)を養うという大事な目的があります。食物アレルギーを過度に恐れて、離乳食の進行が遅れがちになっている場合もあり注意が必要です。

食物アレルギーは通常1歳〜1歳6か月でピークを迎え、その後軽快していく場合が大半なので、定期的に血液検査でRASTを測定し、その値の経過を見ながら制限食を解除していくことになります。小学校入学まで食事制限を必要とするのは非常にまれなケースです。

梅田皮膚科では、皮膚の状態を見ながら、検査値の動きを検討して、食物アレルギー児の制限食指導、制限解除を行ってまいります。赤ちゃんのアトピー症状、蕁麻疹(じんましん)などの皮膚症状でお悩みの方は、是非御受診ください。

梅田先生のプロフィール

1994年 大阪大学医学部卒業
1994年 大阪大学医学部附属病院小児科
1995年 関西労災病院小児科
1997年 大阪大学医学部附属病院皮膚科
2002年 NTT西日本大阪病院皮膚科
2004年 大阪府立呼吸器アレルギー医療センター皮膚科診療主任
2006年 大阪労災病院皮膚科医長
2007年8月 梅田皮膚科院長
梅田先生日本皮膚科学会認定
          皮膚科専門医

医学博士
      梅田二郎


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