アレルギー対応ミルク比較表

卵とちがってミルクは良い代替アレルギーミルクがでているので利用したいものです。
ミルク成分でひどい即時型アレルギーをおこしたことのある子どもはエレメンタルフォーミュラやエレンタールPといったアミノ酸まで分解されたミルクを使用してください。
味は悪いのですが、ミルクに添加できるアレルギー性のないフレーバーなども出ていますし、離乳食にも使ってよいタンパク源として重宝です。当院の厳格除去食にも利用されています。
多少のミルク成分では大丈夫でも、ミルクでアトピーの悪化が見られるときは、MA−1やエピトレス、ペプディエットなどがよいですし、今、大丈夫でも上のお子さんや親がアレルギーがあるので心配という赤ちゃんには、E−赤ちゃんやのびやかがよいでしょう。
ただ、使用されている油によっては、合わないこともあるので注意が必要です。
いずれも精製が厳密なほど値段が高くなっています。エレンタールPは医師の処方が必要ですが、乳児医療や公的扶助の受けられる方は、この利用が経済的に助かると思います。
高槻赤十字病院アレルギー科
泰永 美千穂
製品名 | 森永ペプチド ミルク E赤ちゃん |
明治のびやか | ニューMA-1 | 低脂肪MA-1 | エピトレス | ペプディエット | エレメンタル フォーミュラー |
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メーカー | 森永乳業 | 明治乳業 | 森永乳業 | 森永乳業 | 明治乳業 | 雪印乳業 | 明治乳業 |
たんぱく質・ 窒素源 |
乳清タンパク消化物、カゼイン消化物、ラクトフェリン消化物配合 | 乳清タンパク消化物 | カゼイン消化物 | カゼイン消化物 | カゼイン消化物 | カゼイン消化物 | 精製結晶アミノ酸 |
分子量 | ほとんどが3500Da以下 | 平均分子 800Da |
平均分子 約300Da |
平均分子 300Da |
平均分子 約300Da |
平均分子 約300Da |
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1500〜3500Daのペプチドが約15%含まれる | 1000Da以下 | 1000Da以下 | 1000Da以下 | 1000Da以下 | |||
脂肪 | パーム油、パーム核油、サフラワー油、えごま油、精製魚油 | 大豆、米油、動物性脂肪を含まない | パーム油、パーム核油、ひまわり油、サフラワー油、えごま油 | サフラワー油、えゴマ油 | ラード分別油、キャノーラ油、パーム油、ヤシ油 | パーム油、パーム核油、サフラワー油、 | 必須脂肪酸調整植物油(大豆、米油以外の植物油) |
大豆レシチン(大豆タンパクが含まれる) | |||||||
炭水化物 | 乳糖、可溶性多糖類 | 乳糖、デキストリン、グルコースポリマー | デキストリン、タピオカ澱粉、ショ糖 | デキストリン、タピオカ澱粉 | 可溶性多糖類、ショ糖 | タピオカ澱粉、タピオカデキストリン、ショ糖 | 可溶性多糖類、ショ糖 |
乳糖 | (+) | (+) | (-) | (-) | (-) | (-) | (-) |
大豆油 | (-) | (-) | (-) | (-) | (-) | (-) | (-) |
ビタミンK | (+) | (+) | (+) | (+) | (+) | (+) | (+) |
タウリン強化 | (+) | (+) | (+) | (+) | (+) | (+) | (+) |
銅・亜鉛強化 | (+) | (+) | (+) | (+) | (+) | (+) | (+) |
風味 | 良い | 良い | 特有の苦味と 臭い |
特有の苦味と 臭い |
特有の苦味と 臭い |
特有の苦味と 臭い |
特有の苦味と 臭い |
標準調乳 | 13% | 14% | 15% | 17% | 15% | 14% | 17% |
浸透圧 mOsm/kg/H2O |
288 | 280 | 300 | 340 | 330 | 310 | 400 高いのが欠点 →下痢をすることがある |
適応 | 牛乳アレルギー発症予防 (治療には使えない) |
牛乳・鶏卵・大豆アレルギー | 牛乳、鶏卵、大豆アレルギー、乳糖不耐症 | 牛乳、鶏卵、大豆アレルギー、乳糖不耐症 | 牛乳、鶏卵、大豆アレルギー、乳糖不耐症 | 牛乳、鶏卵、乳糖不耐症 | 牛乳・鶏卵・大豆アレルギー・乳糖不耐症 |
注意点 | 乳糖不耐症(下痢など)・魚アレルギーに注意 | 乳糖不耐症に注意(下痢など) | 大豆アレルギーに注意 |